本件事件の概要は、第1審判決(大阪地裁平成16年10月21日判決)において、本件特許発明の請求項1発明は新規性なしとの無効理由で、請求項5発明は進歩性なしとの無効理由で、いずれも無効理由が存在することが明らかであるため、本件特許権の行使は権利濫用に当たり許されないとした判決である。 第2審・控訴審...
最近の特許権侵害訴訟において、裁判所は必ずと言っても良い程、「無効の主張をされますか」、「無効審判を請求されますか」と冒頭に被告に聞く。 このことは、特許法第104条の3の規定によって「無効にされるべきものと認められるときは、特許権の権利行使が許されない」との、いわゆる権利行使制限規定が新設された...
最近の企業環境は、原油高、材料高、金融不安等外的要因によって益々厳しく、企業の存続すら危機にある状態と言っても過言ではない。 このような時代においても成長している企業が数多くあるが、これら成長企業の最大の強みはオンリーワンの技術や製品を保有しているか、独自なビジネス手法を構築している等、競合他社に...
知財分野においては、特許・意匠・商標に関係なく、常にその大原則として特定(認定)、対比、評価、判断の四大要素がある。 この四大要素は、権利化業務のみならず鑑定業務や紛争・訴訟業務についても全て当てはまる重要な要素ないしは原則である。※ 権利化業務において(1) 出願前段階 例えば特許の場合、発明...
弁理士生活38年、特許事務所を34年経営し、その間グループ会社として知財情報会社ネットス及び知財教育会社パトラを設立し、サン・グループの代表として活動してきたが、最近のこの知財業界について一言申し上げたい。 一般的にこの知財業界においては、電機業界のような知財大手企業(知財部員数百人)と、大手企業...
最近の企業環境は、原油高、材料高など外的要因によって極めて厳しい環境下にあり、業種によっては企業の成長力が低下し企業の生存すら厳しい状況下にある。 このような状況下において、企業が生き残り戦略として、あるいは成長戦略として共通の課題は、知的創造により新規事業、新規技術、新製品の開発によるオンリーワ...
産業財産権侵害紛争の多発や企業間競争の激化、さらには差別化技術の開発の困難性等、最近企業にとって知財問題が複雑化、多様化している現象が見られる。 このような情況下において、知財情報を有効に利用、活用している企業と、全くまたはほとんど活用していない企業が存在するが、後者の企業には中小企業に多く見られ...
2007年度に依頼された講演の回数は、実に38回と多くなりました。 これらの講演依頼のニーズや実際に講演した結果、企業や大学の現在の知的財産に関する問題点や悩みが浮上してきたので、これらの点について解説する。 講演依頼内容を大別すると、第1は知的財産に関する基礎知識を吸収したい、第2は知財の専門分...
新年あけましておめでとうございます。 今年で弁理士人生38年目に突入しますが、昨年を振り返って思うことは、政府の知的財産戦略本部が創設されてから早や約6年を経過しているが、我が国に本当の意味の知財政策が実行され成功しているのであろうか。 政府が「知財」の重要性をアピールする程、企業、特に中小企業(...
1.事件番号東京地裁平成19年(ワ)第11944号 損害賠償請求事件(平成19年11月22日判決)2.事件の概要 本件は、「植物栽培コンテナ及び植栽設備並びに植栽設備の施工方法」について特許権を有する原告が、被告が製造販売した製品と被告が施工した方法が、いずれも特許権の特許発明の技術的範囲に属し特許...