『サン・グループ東京オフィス開設10周年・
特別セミナー開催報告』
各位
2016年9月
サン・グループ 代表
藤本昇特許事務所
所長 弁理士 藤本昇
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、藤本昇特許事務所、(株)ネットス、(株)パトラの3社にて構成されるサン・グループは本年度42年目に突入し、東京オフィスが開設10周年を迎えましたのを機に本年9月9日、周年セミナーを東京で開催しました。
セミナー第Ⅰ部は「東南アジアの知財概況」について、JETROバンコク事務所 知的財産部長 高田元樹氏と、澤井容子氏を講師にお迎えし、第Ⅱ部は「事業に貢献するインフォプロ」について旭化成株式会社 研究・開発本部 知的財産部 技術情報グループ グループ長の中村栄氏をお迎えして開催しました。当日は、80名の方々にご出席いただき大変有意義なセミナーとなりました。また、来賓には特許庁 審査第2部 審査長 森藤敦志氏、特許庁 総務部総務課 特許情報室長 遠山敬彦氏、INPIT知財情報部 部長 塩見篤史氏にもお越し頂きました。
今回のセミナーで東南アジア諸国連合(ASEAN)の最新の知財概況についての情報をご教示頂けたことは、私共知財関係者にとりまして非常に有益でした。
ASEAN諸国として、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、についての各国の知財関連法の整備状況や条約加盟状況についての説明があり、国によっても異なりますが各国ともこれらの法整備や法改正が順次行われており、今後その法整備によって先進国と同様になる時期が近いと感じました。
特記事項としては下記のとおりです。
- シンガポールは東南アジアの知財ハブ構想として2013年4月マスタープランを発表している他、カンボジアとシンガポールとは2015年1月20日覚書を締結して相互の出願受付や相互に特許・意匠を承認している等、独自なアクションもある。
- カンボジアでは特許・意匠等は工業手工芸省内の産業財産部が、商標は商務省内の知的財産局が担当。
- インドネシア改正特許法では、特許権者は特許の実施義務を義務を負う他、実施する製品の製造又は製造方法の使用は技術移転を伴わなければならない(第20条)との改正等がある。
- ミャンマーでは現在特許法、意匠法、商標法は存在しないため、産業財産権の登記によって優先権を確保する動きがある。特に商標については先に登記することによって商標法の成立前に優先権を得ることが重要である。
- タイでは2016年7月より改正商標法が施行され音商標も保護範囲に含まれる他、立体商標の識別性についても規定された他、OAの応答期限が60日以内と短縮されたことも要注意。
タイ特許法では出願後異議申立制度から特許公告後異議申立制度(日本の旧公告制度時の異議申立に相当)へ移行する。 - ベトナムでは2016年4月より日本国特許庁との間で特許審査ハイウェイ(PPH)が開始された。日系企業の特許出願件数はトップ。
- マレーシアでは改正意匠法(2013年7月)によって権利期間が最長15年から25年に変更、世界公知導入。
2014年10月からJPOとの特許審査ハイウェイ(PPH)開始。 - 出願件数の多い海外の国
フィリピンでは欧州からの出願が51.3%と多い。
マレーシアでは欧州からの出願が37.3%と多い。
インドネシアでは欧州からの出願が40.1%と多い。
以上、ASEAN諸国の重要な近況をご報告します。
ご質問がございましたら、下記までご連絡下さい。
敬具
【本件に関するお問合せ】
㈱パトラ(藤本昇特許事務所)担当:藤井 優子
TEL 06-6271-2383/FAX 06-6271-7910 E-mail:info@sun-group.co.jp