『 英国における共同体意匠出願の取り扱い 』
『ミャンマーにおける新たな知財法制定について』
2019年2月
各位
弁理士法人 藤本パートナーズ
代 表 弁理士 藤本 昇
意匠部部門長 弁理士 石井 隆明
特許国際部部門長 弁理士 小山 雄一
拝啓
貴社益々ご清栄の段お慶び申し上げます。
さて今回のサン・グループニュースは、英国及びミャンマーにおいての重要情報を入手しましたのでご案内致します。
第1. Brexitに伴う英国における共同体意匠出願の取り扱い
昨年11月に、標記についてお知らせしましたが、今般現地代理人から最新情報を入手しましたのでお知らせ致します。
なお、共同体商標出願につきましては、新たな情報を入手次第、別途お知らせ致します。
現時点での英国のEU離脱日〔Brexit〕は、2019年3月29日を予定されておりますが、離脱協定が合意に達するか否かにより、下記が想定されています。
(1)Brexitまでに離脱協定の合意に達した場合
・2020年12月31日までの移行期間が設けられます(移行期間延長の場合あり)。
・移行期間中は、従来通りのEUIPOに対する共同体意匠としての出願手続きで、英国での保護を受けることができます。
(2)Brexitまでに離脱協定の合意に達しなかった場合(合意なき離脱の場合)
英国において共同体意匠出願は下記のように取り扱われる旨、英国政府は表明しています(なお、英国において国内法成立後、正式に有効となります)。
(3)共同体意匠出願の英国での再出願の要否
①3月29日時点で登録され、且つ、公告済みの意匠
⇒自動的に英国での保護が受けられますので、別途の手続きは不要です。
②3月29日時点で未登録(出願中)の意匠
⇒英国での保護が必要であれば、Brexitの日から9ヵ月以内に英国への再出願が必要です。
③3月29日時点で登録されているが、未公告の意匠
⇒英国での保護が必要であれば、Brexitの日から9ヵ月以内に英国への再出願が必要です。
※3月29日時点で公告繰り延べをしている意匠が該当します。
(4)更新手続き
Brexitの前に共同体意匠の年金を支払ったとしても、英国での年金の支払いが免除されるものではないとの発表が英国知財局から今回ありました。
(5)ハーグ出願
・3月29日までに共同体意匠が有効となった場合(国際公開+EUIPOからの拒絶無し)、英国を指定国に含めていなくても、英国国内登録として自動的に英国での保護を受けられます。
⇒上記に該当しない場合、英国での保護の必要性に応じて、Brexitの日から9ヵ月以内に英国への再出願が必要です。
当所では引き続き、英国離脱交渉による知財への実務対応策について、随時情報を発信致します。
尚、本件に関しご不明点等がございましたら、意匠部 部門長 弁理士 石井までお問合せ下さい。
第2. ミャンマーにおける新たな知財法制定について
実体的な知的法の制定が待ち望まれていたミャンマーにおいて、新たな知的財産法案が連邦議会にて可決され、近いうちに施行される見通しとなりました。
具体的には、新たな商標法および意匠法については1月下旬に連邦議会にて可決された後、大統領によりサイン及び承認されて成立しました。
また、新たな特許法についても、既に連邦議会では可決されており、近い将来、大統領によってサイン及び承認され成立するものと思われます。
これら新たな知的財産法の実際の施行時期は不確定ですが、現在、知的財産局や規則等の整備が進められており、その準備が整い次第、施行される見通しです。
尚、本件に関しご不明点等がございましたら、特許国際部 部門長 弁理士 小山までお問合せ下さい。
〔お問い合わせ先〕
弁理士法人 藤本パートナーズ
TEL 06-6271-7908 FAX 06-6271-7910
意匠部 部門長 弁理士 石井 隆明
特許国際部 部門長 弁理士 小山 雄一