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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]弁理士人生37年に思うこと

2007年06月01日

 1970年に弁理士試験に合格した私は、現在既に37年間と長きにわたり弁理士業務を精一杯遂行してきたが、最近ふと弁理士の業務が社会に貢献しているだろうかと思うことがある。

 弁理士は発明、考案、デザイン等知的創造物を保護するための権利化業務をその基本業務とするものであるが、我が国の戦後のような経済が貧困な時代はいざしらず、現在のような、いわゆる物余り現象で世の中が物質的に豊かな時代になった場合に、さらに新たな製品や商品を創造しこれを権利化することが本当に社会のため、あるいは国民のために寄与しているのであろうか。

 人間の欲は無限であるため、これら物質を欲求する人々には確かに新製品や新商品は役立つことにはなるであろうが、持つ者と持たざる者、あるいは勝ち組と負け組と最近いわれるように、物的な格差社会が生まれて来ているのである。

 一方、物質的に満たされた社会には、精神的な歪みや心の病が発生し、これが最近過激化し日常茶飯事の如く多くの事件が発生しているのである。

 このことは、直ちに新たな創造物(製品)を創造することに起因しているものではないが、最近の日本人はあまりにも贅沢で物を大事にしない傾向にあり、このことはとりもなおさず、人を大切にしないことに直結するのである。

 私が誕生した終戦直後は、物がなく物を大事にすることを日常教えられ、これが人・家族をも大切にすることにもなったのである。

 一方、日本の将来を考えると、その原点は物作りに喜びを感じ、新たな創造に夢を感じたものであることを思うと、やはり社会に貢献し、人の心を潤す創造物を創造することは極めて重要であり、これらの創造物を保護することも極めて社会的に重要な使命感のある職業であると思う。

 人間は他の動物と異なり、考えることができ、新たに創造することができる唯一の動物である。年は老いても人は頭に汗をかくことによって、決して人間としては老いることはないのである。

 これからも人世を終わるまで弁理士としての人生を続けて行くことになるであろうが、この人生は創造に満ちた、心豊かな人生で、弁理士としての本質を見失うことなく、武士道の精神を貫きたいものであると思う今日この頃である。

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