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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]アセアン諸国への知財戦略

2013年12月12日

1.アセアン諸国

 アセアン諸国とは、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム等で、中国に続く新興国として世界が注目している新経済市場である。

 これらの国においては、一応知財関係の法整備がされているように見えるが、実際の運用が伴っていない国も数多くある他、ミャンマーは未だ法整備が進行中である。

2.アセアン諸国に対する日本国企業の対応

 最近、日本の企業はこれらアセアン諸国への進出が著しいが、現地での知財紛争に巻き込まれ、あるいは技術・デザイン・ブランドの模倣に困惑している企業や実損が発生している企業も多々ある。

 これらの企業は、進出前に知財対策を十分に行っていないケースが多い。

 例えば自社ブランドが既に進出国で登録されているケースや特許出願しないでノウハウの状態で現地企業に技術を開示または提供しているケースがある。

 このように進出してからトラブル発生に巻き込まれないよう事前にその対策を講じることが重要で、その具体的対策例としては下記点がある。

(1) 事前調査

 ブランド、デザイン等進出国において自社のブランドや自社製品のデザインが権利侵害とならないか否か事前に調査することである(調査の徹底化)

(2) 事前に出願・登録

 自社のブランド、デザイン、技術等について進出国で先に登録して権利化することである。特に技術については特許出願しないでノウハウとして進出国企業に提供するケースがあるが、このことは極めて危険な行為である。

 現地でのノウハウ管理が困難である他、現地企業が日本企業提供のノウハウ技術を特許や実用新案として出願・登録するケースがあるからである。

(3) 交渉

 既にブランドが登録されているようなケースにおいては、その商標権の買い取り交渉となる場合があるが、その際、注意しなければならないのは日本企業が相手であると見破られないこと、及び現地の有力弁護士の選定等にある。

3.今後の知財戦略

 益々成長するアセアン諸国について日本企業は事前に知財戦略を日本の特許事務所(国際に強い弁理士)を介して現地の有力な代理人(弁護士・弁理士)を選任して行うことが第1に重要で、第2に事前に現地の特許・意匠・商標の調査をすること、第3に自社技術・デザイン・ブランドを事前に登録しておくこと、第4に企業の事業内容と知財戦略が連動して一体化した戦略を行うこと。

 今後、ますますアセアン諸国は経済的に台頭することになるため、サン・グループはこれらの諸国の現地有力な法律・特許事務所との連携及び指導を強化しますので、2014年もよろしくお願いします。

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