1.保護主義の台頭
イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領の就任等、世界はナショナリズムによる保護主義化傾向にある。
特に、アメリカのトランプ大統領の経済政策は、アメリカ国内の製造業の浮揚化を念頭に国内産業の活性化、すなわちアメリカファーストによる日本等外国企業のアメリカ進出に圧力となり、外国企業にとっては非常に厳しい経済環境下になることが予測されている。
このことは、1980年代のレーガン大統領時代の日本企業へのバッシングや特許権等知的財産権の権利行使によって多額の損害金や和解金を日本企業が支払わされた悪夢の時代を思い出すのである。
2.日本企業の知恵
1980年代と現在とでは日本企業も大きく変わり、過去の経験から知得した知恵に基づきその防衛策は十分であろうと思われるが、必ずしも全ての日本企業で海外知財対策がなされているかは極めて疑問である。大手企業は別として、大手企業であっても知財に関して中小企業である企業や本来の中堅・中小企業にとって海外進出、特にアメリカにおける知財リスク対策は十分ではない。
本年は保護主義の台頭によって益々世界経済は不透明化するであろうが、企業としては世界で生き残り、成長するための経営戦略はむろん海外での知財戦略の構築が本年度さらに重視されなければならない。
3.サン・グループのネットスへの依頼
サン・グループ所属の特許調査や特許情報分析企業であるネットスへの最近の依頼事件の内容からも、企業がリスク対策を重視していることが分かる。すなわち最近、新興国(特に、中国、インド、ASEAN諸国)はむろん、アメリカやヨーロッパの特許調査の依頼が急増しているのである。
しかも、調査依頼の内容が、企業が海外進出するに際しアメリカ等において障害となる知的財産権があるか否かの侵害性調査である。
アメリカの場合、一度訴訟提起されるとその対応、すなわち米国特許弁護士への支払いが多額となる他、訴訟で敗訴すると高額な損害金を命じられる場合があり、企業特に中堅・中小企業にとっては生命線となる場合がある。
4.今後の対策
今後、企業は海外知財リスク予防対策を事前に十分高精度に行う必要があるが、その第1は有能で経験のある調査会社の選定、第2は障害特許権等が存在する場合にそれの侵害成否を正確且つ高度に適正コストで判断できる日本と海外の弁護士や弁理士の選任にある。
ネットスは、世界中に特許調査網を有し、海外の調査実績とその調査能力は日本でトップクラスであるため、まずはネットス又は藤本昇特許事務所の国際担当弁理士にお気軽に御相談ください。