1.企業の利益
企業は社会貢献等社会に対する存在価値がある一方、利益追求も企業として大きな目的であることは明らかである。
しかるに、企業における知財の役割や使命は従来利益追求に直ちに貢献しているとは言えず、知財は企業内で特別な業務として他部門と分離して認識され、業務遂行されていた感がある。
外野の弁理士も企業から依頼された権利化業務にのみ注視し、企業の利益獲得に貢献する知財業務を提言・指導していなかったのが現状であり、弁理士自身に知財を企業利益に貢献する意識や自覚すらないのである。
2.知財のバブル化
特許・意匠・商標の出願件数の減少化傾向が国内では歯止めがつかず、特許は30万件の大台を切る寸前で、意匠は3万件を切り、2万9千件台(昨年)まで減少した。
このことは出願件数がバブル化していることを正に裏付けるものであるが、企業の開発力や新規事業力等は決して減退しているものではない。
企業は古い歴史の中で最近、知財を単なる出願件数や権利の保有件数に優位性があることに位置付けするのでなはく、その技術内容等出願の内容を重視して量より質に転換したのである。
このことは正に、知財は企業ビジネスに役立つあるいは貢献しないことには企業経営に意義がないことに目覚めたからである。
3.今後の知財の活用戦略と利益貢献型知財活用策
企業経営者は知財の権利化や維持に多額の費用を要することに気付くと同時に、知財が企業の利益追求に貢献しているのか、貢献するための知財戦略の見直しと新たな知財活用戦略を知財担当者に命題として与え始めたのである。
知財が企業の利益獲得に貢献するには、まず第1に企業の事業に対する位置付けや開発の重要度を評価・認識すること、第2にその事業の市場規模や売上予測を予想すること、第3にこれを前提として開発した製品を特許・意匠・商標の知財ミックスで考え強力な製品の保護戦略と他社の進入防止領域の排他戦略を考え構築すること、第4は製品が販売された後の売上状況等を追跡して、さらにデザインやブランド戦略・広報活動を高め製品の周知化等を検討し実行することにある。
従来のように特許・意匠・商標を単独で出願し、出願後は放置するのでは企業の利益獲得に知財は貢献しないのである。
企業の金儲けに知財が貢献するには、知財ミックスの総合的観点から出願戦略を考えること、出願後の売上動向や市場における他社動向をサーチしながら、次の知財戦略を考え実践することが重要である。
そのためには企業内の知財部と事業部や営業部との情報交換を定期的に行う等、社内の情報共有化と同時に次の知財戦略の対策が重要である。
その際、このような総合的且つ知財ミックスに能力と実績のある外部弁理士(特許事務所)の活用が重要となる。
サン・グループは正に企業に利益を生む(金儲けさせる)知財戦略を実践している知財のプロ集団である。