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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム] 包装とパッケージデザインの保護(知財ミックス)

2016年07月07日

 1.包装の概念と保護法益

  包装には、大別すると液体や気体等を収容する容器と、固形物を収容する箱や包装するパッケージ等とに大別でき、

 前者の容器の包装は、デザイン的側面より機能的側面からの開発が主となり、後者の包装はパッケージのデザインや商標等の識別標識を主として開発主体となる。

 これらを法的側面から考察すると、前者の包装容器はその機能面や形態面から、技術的価値を保護する特許・実用新案とその外観形態を保護する意匠が主たる保護対象となるため、これらの観点からその保護態様を検討しなければならないのである。

 一方、後者のパッケージデザインやロゴ等については、意匠の保護対象になり得る場合と商標の保護対象、さらには著作権の保護対象にもなり得る場合がある。

2.知財ミックスとその保護戦略

 前記のように、包装の保護はケースによって異なるが、特許・実用新案・意匠・商標による総合的な保護を検討しなければならないのである。すなわち知財をミックスした保護戦略を考察する必要がある。

 これを考察するには、夫々の法益の意義を理解し、且つ実務経験していることが重要であるが、最近の弁理士の業界でも特許には詳しいが意匠や商標は全く経験していないとか、あるいはその逆パターンもあり、全体を考察できる弁理士は非常に少ないのが現状で、これでは企業の事業や包装の有効な保護戦略にはならないのである。

3.包装とその保護戦略

 特許や実用新案は、技術的特徴を保護する手段であり、意匠は物品の美的外観を保護する手段で、商標は商品の識別標識としての出所識別機能を保護するものである。さらに著作物は著作者の個性ある創造物を保護するものである。

 従って、包装の保護としては上記観点からその包装の保護として最適な保護、すなわ権利の最大価値化を目指して、出願前に戦略会議を実践してその保護を検討する必要がある。

 ただ単に出願して権利化するのみでは後日模倣発生等に対応できない事態になり得る場合がある。

 従って、前記出願前の保護戦略会議では保護の最大化と同時に他社の模倣防止の最大化をも併せて検討し、その守備範囲と攻撃範囲をある程度意識して明確化したうえで、出願の種別や出願態様(内容)を検討することが重要で、その際、特許と意匠あるいは意匠と商標による重畳的保護をも検討すべきである。

4.現在各社が独自にパッケージやパッケージデザイン並びにロゴマーク等について出願をしているが、それが真に権利保護としての価値があるか極めて疑問な権利も数多くあり、費用の無駄となっているケースが多々発見できる。

5.さらに不正競争防止法2条1項1号や同3号についても併せて事前に検討する必要もある。

 私共、藤本昇特許事務所は、この分野(包装関係)の第一人者であると言える程の実務経験がありますので、いつでも御相談下さい。

 

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