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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]21世紀型企業経営の知財主要6大テーマの提言

2006年03月20日

 弁理士生活36年経過した私にとって最近の知的財産業界を展望すると、正に36年前に比し最近の知財業界は激動期であると同時に変貌期にあると考える。

 このような時代において、企業経営者は知財戦略を重要な経営戦略の一要素と考えなければならないと同時にその企業にマッチした知財戦略を実践しなければならない。

 そのためにも、最近の知財の主要なファクターを認識することが必要である。

 私が思うに、21世紀型企業経営の知財主要6大テーマは下記点にあると考える。

第一.知的創造時代

 今後我が国企業が成長するには、技術・デザイン・ビジネスモデル等知的創造の活性化が最重要課題で、これを実践できるか否かがキーポイント。

第二.プロパテント時代

 世は正にプロパテント政策による知的財産権の獲得と活用にある。如何にビジネスに役立つ権利を獲得するかで、その命題は開発から出願迄の出願戦略の重視化にある。

第三.企業価値と知的財産価値

 今は正に企業の価値は有体財産ではなく、無体財産にあることを企業のトップは認識しなければならない。無体財産の最大価値は知的財産の価値にある。

第四.企業の危機管理対策

 企業のリスクマネジメントが重視されているが、その中で特に知的財産の危機管理としては、例えば他社の特許権を侵害することによって数億、数十億円の損害賠償支払いの判決が多数出現していることに気付くことである。そのためにもその事前の危機管理対策が重要である。

第五.グローバル化

 中国、韓国等東南アジア諸国のみならず、今後BRICS諸国の台頭が目前に迫っている。我が国企業としてはこれらの国における営業(技術)秘密の流出を阻止しなければならない他、模倣対策としてこれらの諸国において予め知的財産の権利を獲得するかが如何に重要であるかを認識することである。

第六.知的人材の育成化

 企業の最大の資源は人材であるが、人材には人罪、人在、人材、人財の4種がある。その企業に何人の人財がいるかが重要であると同時に知的社会になると正に人が最重要ファクターである。しかしその人に求められるのは学歴や知識ではなく、知識・経験・能力(運・感性・徳)・先見性等を備えた知恵者が必要である。

以上のように、上記6大テーマは企業経営にとって必須の課題で、これを有効に実践することが成長企業の生命線であることを提言する。

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