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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]2007年度の講演を振り返りて!

2008年03月30日

 2007年度に依頼された講演の回数は、実に38回と多くなりました。

 これらの講演依頼のニーズや実際に講演した結果、企業や大学の現在の知的財産に関する問題点や悩みが浮上してきたので、これらの点について解説する。

 講演依頼内容を大別すると、第1は知的財産に関する基礎知識を吸収したい、第2は知財の専門分野に特化したテーマについて学びたい、第3は知財を如何に経営に活用するか教えて欲しい、第4は知的財産分野の危機管理対策について教示して欲しい、と大別できるが、最近、大手企業(上場企業)ではあるが、知財部員が10名以下の企業(私は知財の中小企業と称している)からの依頼件数が多くなっている。

 その要因としては、企業環境の厳しさの中で競合企業との競争激化による生き残り戦略として知財を活用したいとの要望、並びに従来から出願をして多くの権利を保有しているが、これらの権利は保有するのみで経営や事業に生かされていないとの反省、さらには出願等に多くの費用を投資している割には、その費用が企業内で生かされていない、との反省による場合が多くある。

 私の考えは、特許・意匠・商標等の産業財産権を出願によって獲得することは重要であるが、それが目的ではないということである。あくまで企業はビジネスをやっているのであって、ビジネスに役立たない権利をいくら大量に保有していても、それはお金の無駄遣いである。

 この点の認識について企業の知財部員はむろん、多くの弁理士も非常に甘いのである。企業にとって重要なことは、競合企業に脅威となる権利や、権利の獲得によって市場を独占でき、且つ他社を排除できる高価値な権利を獲得することである。

 今後益々ワールドワイドとなる企業活動にとってグローバルに知的財産戦略を実践すべく有効且つ有益な権利を国内外で獲得すると同時に活用することである。

 このような実のある知財戦略を如何に行うべきかは私の方(パトラ)にご依頼いただければ、社内講演をすることは可能です。

 最後に、最近中国人が日本企業の社名やマーク等のハウスマークを無断で中国で登録し、これによって中国で生産し日本に輸出している企業や、中国で生産・販売している企業に多くの被害が発生していますので、中国やベトナム等において生産している企業は直ちに社名やマーク等をそれらの国に出願し登録すべきであることを警告します。

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