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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]経済不況時に強化すべく知財戦略とは!

2009年01月15日

 あけましておめでとうございます。

 本年度の新年幕開けのように、「不況」・「不況」と叫ばれる年は過去にはない程の国際的不況の環境にある。

  しかしながら、このような時こそ従来型の経営戦略や知財戦略を見直しあるいは一度破壊して新たな戦略を構築するチャンスでもあるのである。

  知的財産分野における不況時の改革とは何か。企業にとっての不況時対策とは、人員削減、コスト削減、投資の見直し化等種々のファクターがあるが、これらを前提としての知財分野の主たる対策は下記のとおりと考える。

第1 有益な発明の創造

  不況時こそ将来有望な事業や市場を予測して有益な発明を創出すべきチャンスで、正に将来予測のうえでシーズを発見し発明を生み出し特許網を構築することである。

第2 出願の厳選(出願前の活動重視策)

  出願件数はある程度必要であるが、有益な出願をすべく出願対策となる発明を事前に十分な調査をして厳選すべきで、これがコスト削減化になる。出願前の調査・判断に社内に人材不足であれば高資な外注先(ネットスのような調査会社)を有効活用すべき。

第3 外国出願の適正化

  外国出願は1件当たりのコストが高いため外国出願する意義とその出願手法(PCT等)を適正化すべきで、特にその指定国を厳選すべき。

第4 競合企業や技術動向分析

  不況時には、競合企業との競争激化となるために、この時こそ先を見て競合企業の特許情報を分析し、自社の優位性を判断すべきである。同様に将来の市場予測を分析して成長する技術を特許情報の分析にて把握して開発方針を決定すべき。

第5 有能な弁理士(特許事務所)の活用

  不況時には、前記のように調査、分析、発明の発掘、判断力、指導力等総合的な知財戦略が重視されるため、単なる事務屋的弁理士では役立たず、有望な弁理士の指導や調査から分析・判断等総合的に実践できる特許事務所の活用が重要。

第6 知財のリスク回避

  不況時に他人の権利を侵害して高額な損害額を支払うことになれば企業にとって最大のマイナスである。これを事前に予防するには常に障害となる特許権等を調査でき得る体制と、障害特許が侵害となるか否かの判断力を有する有能な弁理士が企業のドクターとして存在するか否かである。

  以上のとおり、不況時こそ従来型の質を無視した出願件数のみに依存する出願戦略を改革し、出願前の戦略を重視する戦略に切り替えることが第一歩である。

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