1.弁理士手数料について
私が弁理士登録した1970年代当時やそれ以降長きにわたり、弁理士手数料の基本料金表は日本弁理士会が作成し、規定していたものである。
しかも該基本手数料は、日本知的財産協会との協議のうえ特許庁によって承認されていた時代であった。
従って、この時代は弁理士手数料は、ほとんどの弁理士や特許事務所間において大差なく略均一料金であった。
しかしながらその後、この規定が独禁法との関係で廃止され、弁理士のみならず弁護士等の士業の料金規定は廃止され、自由料金制となりあくまで、弁理士が自由に料金表を作成することとなったのである。
その前提は、弁理士は依頼者と協議のうえ料金を設定すべきであるとの考え方が基本となっている。
2.弁理士手数料の自由化について
弁理士手数料が自由化になったことによって弁理士業界、特許事務所業界に大きな異変が起きたのである。
それは弁理士数の大幅な増加と特許出願件数が毎年減少化傾向になったこと、さらには企業からの低価格の要求等が起因となって均一化された弁理士手数料が大きく値崩れ現象が発生し、到底考えられないような低価格手数料で出願等を受任している弁理士が存在することとなったのである。
このような手数料の大幅なダウン化は、弁理士の使命や業務の性質からして私は到底許し難いのであるがこれが現実である。
しかしながら、弁理士の業務の性質やその目的、さらには企業のために高度で高質な業務を提供するには十分な思考力や相当な時間や、さらには事前調査等を要するもので、決して物売りとは異なり業務に相応な価格が必要であり、それ相当の価値があるのである。
低価格を売りにしている弁理士の業務は単なる事務屋であって、本来の弁理士として企業から要求される高度で高質な知的業務を行っていないのである。このことは、例えば権利化されたが権利範囲が限定されすぎて権利行使できない事態になるのである。
この点、企業はよく理解してその弁理士に依頼すべきであって、単に低価格のみで依頼すべきでは決してないのである。企業リスクをよく考えるべきである。
3.藤本昇特許事務所の弁理士手数料に対する考え方
当事務所は、形式的な業務と実体的な業務を個別に検討、判断し、依頼される業務に要する時間や量、さらには該業務に対する企業の重要度等を判断して、事前に企業に見積書を提出して事件を受任することを原則としている。一律料金性から個別料金性への移行にそった料金体系であることを基本とする。但し出願等の日常業務については基本料金表を作成し規定しているが、企業の要望をも考慮する場合もある。
いずれにしても当事務所は、個別の事件や業務に応じた料金体系であって決して一律料金体系ではなく、依頼者の重要度やニーズに対応した料金制度となっているので、従って、料金についてはいつでも御相談下さい。