1.特許調査について
特許は出願日から18ヶ月で明細書等が公開され、公開公報に掲載されることになるが、最近は早期審査等の関係で特許が公開される前に特許が登録されて特許公報が発行される場合もある。
この場合には公開特許公報より特許公報が先に公開されることとなる。
いずれにしても特許は公開公報か特許公報を調査することによってその特許内容を知ることができるのである。
2.意匠調査について
意匠は、公開制度がないため意匠登録後に発行される意匠公報によって登録意匠の内容を知ることができる。
従って登録されずに拒絶された出願については調査不可である。
3.商標調査について
商標は、出願後約1.5ヶ月程度で出願内容が公開されるため、公開公報によって出願内容を知ることができる他、商標登録されると商標公報によって登録商標の内容を知ることができる。
4.登録性の調査について
(1) 特許が登録される可能性があるか否かの調査は原則、国内外の特許公報を調査することによってある程度サーチ可能であるが、実際上は特許登録性の完全な調査は不可能である。けだし外国公報や非公報文献(例えば学術論文誌等)を調査しなければならないからである。
(2) 意匠の登録性の調査については事実上困難である。けだし意匠公報の調査は可能であっても意匠公報で引用されて拒絶されるケースは引用文献中、約20%以下で公報以外のカタログ等の非公報文献や特許公報、実用新案公報で引用されるケースが大半であるからである。
よって、意匠についての登録性調査は限定的にならざるをえないのが現状である。
(3) 商標の登録性調査は、前記のように早期に公開されるため、商標調査によって事前に登録性の可否判断は比較的容易に行えるのである。従って出願前に事前に調査することは必要不可欠で、且つ重要である。
5.侵害性調査と企業リスク
(1) 企業にとって新製品を製造、販売したところ第三者から、特許、実用新案、意匠、商標の権利を侵害していると警告されることは最悪のケースである。
このような侵害リスクを回避するためには製品の製造、販売前に侵害性調査をすることが企業にとって必須不可欠である。
しかも、侵害性調査は有効な権利を調査することとなるので調査期間が特定されているので調査自体は容易に行える。但し調査の結果、障害となる権利が存在した場合自社製品がその権利範囲に属し、侵害となるか否かの判断は決して容易なことではないので弁理士の判断を求めるべきである。
企業内の安易な判断が大損害となった事例も存在するので要注意である。
次に、海外における侵害性調査は、企業にとってさらに重要である。
サン・グループ所属のネットスには最近海外における侵害性の調査依頼が急増しているが、海外調査は国によって大変危険で困難な問題があるので、調査のプロ集団であるネットスに御相談下さい。