SUN GROUP

知財教育・調査・出願・係争など知的財産に関する
あらゆるサービスを戦略的に提供。【大阪・東京】

弁理士藤本昇のコラム

column

ホーム > 弁理士藤本昇のコラム > [コラム]知財ミックス戦略の重要性

[コラム]知財ミックス戦略の重要性

2024年12月03日

1.技術・製品の保護の最大化(高価値化)

 最近の技術は益々多様化、高度化、複合化しているため、特許・実用新案・意匠による保護は多面的に捉えるべきで、その一手段として知財ミックス戦略がある。知財ミックス戦略とは、特許と意匠、意匠と特許、意匠と商標、商標と意匠、さらには不正競争防止法等の活用による多面的な保護戦略である。

 従来、企業によっては特許のみの保護一辺倒で意匠出願した経験はない、あるいは私共の技術分野は化学や製薬分野であるため意匠の保護対象にならないとか、意匠の保護に馴染まない等の理由で意匠出願した経験のない企業も数多くあり、現に意匠を保護対象と考えていない企業もある。

 しかるに、上記のような分野であっても特許が登録できないとか、登録できたがその権利範囲が狭く権利行使ができなかった等と問題を抱え、私共に後日相談に来られる企業も少なくない。特に最近この種の相談が増加している。

 

2.特許一辺倒の企業と知財ミックス

 ①自社の技術や製品が意匠の保護に馴染まない、②当社では従来から特許一辺倒で慣習化している、③社内に意匠を理解する人材がいない、④意匠の権利範囲が狭い、⑤外注先の弁理士も意匠について詳しくないため、意匠のアドバイスがない等の理由から特許一辺倒の企業が非常に多いのが現状である。

 しかしながら、自社の技術や製品が理想通り権利化され、権利行使するに十分な権利範囲を獲得したならばまだしも、出願したが登録できなかった、あるいは登録できたが権利範囲(特許請求の範囲)が限定されて狭い権利となったため、競合他社が容易に権利範囲を回避した製品を市場に販売してきた等これらの致命的な問題は、知財ミックス等技術・製品の多面的な保護戦略を検討していないことが最大の要因で、知財ミックス戦略を知らない、検討していない、弁理士からのアドバイスがない等知財の最大化活用戦略を考える戦略家が不在であることである。

 

3.知財ミックスの活用戦略

 特許・意匠・商標等産業財産権を自社の技術や製品の保護に最大限活用する知財ミックス戦略は、特許のみならず意匠や商標も理解しているトータルコーディネートできる弁理士(戦略家)が必要である。

 例えば化学分野の製品は粉体や液体であったとしても販売時や使用時には包装が必要不可欠であるため、その包装に新技術や新形態を考え意匠化することも知財ミックスである。あるいは特許出願する際、図面を意匠的図面化し、特許が拒絶されても意匠に出願変更することを特許出願前から考え、知財ミックスの活用によって保護を図るべきであり、さらに意匠形態を著名化し商標として権利化する、意匠には秘密意匠制度があるため特許は公開されても意匠は秘密となり非公開(但し3年間)となるため知財戦略としての知財ミックス戦略が有効に機能することになるのである。

 

4.むすび

 知財ミックス戦略を事業や経営等に活用するには、知財ミックス戦略を実践している私共のような弁理士や特許事務所に相談することが有益である。

判例紹介
SUN・GROUPホールディングス株式会社
〒542-0081
大阪市中央区南船場1丁目15-14号
堺筋稲畑ビル2F (総合受付5F)