1.はじめに
弁理士 藤本昇は、1960年弁理士登録し、1974年藤本昇事務所を開設して以来、本年50周年を迎えることになりました。この間弁理士業務を遂行する上で経験したことや知財紛争・知財訴訟等の経験によって得た自らの考えや弁理士としての知財哲学を要約すると下記点にあります。
2.知財は企業ビジネスに貢献しないと何ら意義がない(企業は権利化が目的ではない)
このことは弁理士となった当時から感じていたことで、当時の企業(特に弱電メーカー)は特許の出願件数を競っていた時代であったが、その後バブル崩壊とともに出願件数ではなく出願内容(質)が重要であることに気付き、量から質へ転換したのである。
私が独立した直後のほとんどのクライアントは中堅・中小企業であったため、知財は即経営や事業に直結するので、正に知財は企業ビジネスを左右するのでありました。
3.知財は頭脳戦争(攻撃と防衛の戦略)
知財は企業の技術や製品を守ると同時に他社模倣品や接近商品を排除して市場を独占するための武器となるのであるが、その防衛策と攻撃策を考えることが頭脳による戦争となるのである。
4.産業財産権は100点満点はない。必ず抜け道がある
いくら良い明細書であっても必ず抜け道があり、その権利を回避することは可能である。
5.守りの戦略(権利化と高価値化権利)
特許権は1件でも価値がある。すなわち企業ビジネスに貢献して市場を独占する権利もある。そのためにはその出願戦略が需要。
6.攻めの戦略(権利評価と競合企業動向を読む)
市場を常に監視し、自社権利を侵害しているか否か調査のうえ権利によって攻撃し競合製品を排除する攻めの戦略が重要。
7.権利化は特許庁審査官や審判官との喧嘩
8.審査基準はガイドラインであって法律ではない
9.知財紛争・知財訴訟は相手方の弁護士や弁理士との喧嘩。喧嘩は勝たねばならない
10.法律はいろんな解釈ができる
11.交渉は自らの強みと相手の弱点を読み、弱点を攻める
12.売れ筋商品(先発)の問題点を検証すれば新商品が生まれる
以上2乃至12の項目について列挙しましたが、これらの事項を常に頭に入れて権利化はむろん権利活用を図り、企業が知財で金を稼ぐ戦略を考えることが最重要で、そのための対策は各種方法があります。
弁理士法人藤本パートナーズは、上記各事項を頭に入れて日々各弁理士が依頼企業のために業務遂行しています。さらに特許情報企業であるネットスと連携して、その企業に必要な特許情報の分析や特許調査並びにその分析や調査結果を弁理士と共同作戦で検討・評価して依頼企業に高質で高度な判断結果を提供しているのであります。
現在迄の50年間で知財関係侵害訴訟事件(不競法含む)を150件以上取り扱った実績が日常業務に非常に有効に作用しています。
今後とも藤本パートナーズを中核とするサン・グループをよろしくお願いいたします。