1.はじめに
現在、我が国においてあらゆる分野で人材不足が問われているが、一方で人材は数ではなく質が問われているのではないでしょうか。同じ業務を行うにしてもCクラスの人とAクラスの人とでは業務の質はむろん業務スピードが異なるのである。今後、各分野において必要な人財はAクラス人財である。
2.Aクラス人財とは?
その分野においての専門知識を有するとともにその専門知識を業務に生かし、企業が求める成果を発揮できる人財である。そのためには、個人の意識や意欲が高く、知識が豊富な人であり、これらの人材を育成する企業風土と企業内環境が重要である。
3.企業内戦略家の必要性
企業は、組織上各事業部や研究・開発部、知的財産部等多数の部門の集合体となっている。しかるに企業内の各部門が未だ縦割り組織となっており、横断的な業務遂行や情報共有が不足している感が多くの企業に見られるのである。これでは従来型の企業組織であって一体感のある組織体ではないのである。
現在、必要な組織や人財は、経営方針にそってその企業が高収益を上げるための組織でありかつ人財である。
今、企業に必要な人財は、正に戦略家である。ここに戦略家とは経営方針にそって市場・技術・知財・国際の4大要素を総合的に理解できる経験豊かで先見性があり、しかも知恵者と言われる人財である。このような人財は企業の各部門を横断的に評価でき、かつ情報を共有して経営陣や各事業部門長に多角的見地から指示できる人であり、戦略家である。決して専門家である必要はないのである。
今後、グローバルな競争社会の中で企業内に戦略家がいるか否かによってその企業の成長性が大きく左右されるのである。
4.知財業務・弁理士業務と知財戦略家
(1)最近、企業内の知財部員や弁理士の数も増加しているため、その業務が分散化して特許・意匠・商標と夫々が分野別に専門化している。専門化すること自体に異論はないが、例えば「私は特許しかわからない」「私は商標しかわからない」との弁理士や企業知財部員の声を聞くことが多くある。
(2)一方、技術・デザイン・ブランドは企業にとってトータル的にコーディネートしてその知財の保護戦略や攻撃戦略を考える必要があるのである。しかるにその分野の専門家のみでは片手落ちになるケースがある。
(3)特定分野の専門家も今後益々必要であるが、その上にトータル的な知財の保護戦略や攻撃戦略を考えることができる知財の戦略家がより必要である。知財の戦略家とは、特許・意匠・商標・不競法等知財関連法の知識と紛争・訴訟・交渉事件等を経験し、しかも市場や国際分野を予見でき、知財のマネジメントができる人財である。
(4)弁理士法人藤本パートナーズは、設立時(本年50周年)から弁理士 藤本昇は知財の戦略家として多くの企業(特に中堅・中小企業)を指導・支援してきた経験から、現在所内には知財の戦略家も育成され企業を支援している。
サン・グループ、特に藤本パートナーズは正に知財ミックスの活用戦略を実践し多数の企業から高評価を得ているのである。