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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]企業の新年度の戦略と知財戦略

2024年04月08日

1.はじめに

 2024年4月スタート、多くの企業にとって4月は新年度で新たな経営戦略や事業戦略、さらに知財戦略を構築し実践すべき時である。

 最近の企業戦略を概観すると、企業価値向上のための新規事業やM&A、さらにはコーポレートガバナンスコードの改訂による可視化する知財戦略が重視されている。
 これらの戦略を現実化し有効化するためには、そのリスク回避を事前に検証しなければならない。

 

2.新規事業戦略

 最近、各社とも既存の事業分野から新たな事業分野に進出して収益向上による企業価値の向上を目指している。しかるに、新たな事業分野に進出する際、その分野には既に先発企業が存在するのが常である。

 従って新規事業に参入する際には、先発企業の強みと弱みを分析すると同時に将来の市場規模を事前に調査する必要があるのみならず、知財的側面から知財のリスクの有無を検証しなければならない。

 後発として新規参入するには、経済的側面(市場)・技術的側面・知財的側面(知財のリスク)、並びに国際的側面の4大要素を事前に分析・評価することが重要である。

 

3.M&A戦略

 上記新規事業戦略と同様にあるいはその手段としてM&Aによって他社を買収する手法も多く採用されている。しかるに、M&Aを行う際には、財務的・法的・知的財産的の3側面を事前に会計士・弁護士・弁理士等によって専門的な見地から検証した上で、リスク等の有無をチェックしなければならないのである。

 特にM&Aの対象企業の優位性とは何か、技術・デザイン・ブランド・人材・商圏等の各要素を事前に検証することが重要である。

 

4.知財戦略の可視化

 企業は、従来知財に関しては閉鎖的で内部で管理するのみでほとんど自社の知的財産権については統計的数字は開示(外部から調査可)していたが、その戦略、特に知的財産権の価値評価を外部に発信する企業は少なかった。しかるに、最近のガバナンスコードの改訂等に伴い、株主や投資家等外部に対し自社の知的財産権の優位性を公開する企業が多く出現し、技術的側面と同時に知的財産的側面から企業価値の向上を可視化する傾向になった。

 正に、知的財産権は企業価値の評価に極めて重要なファクターとなり得ることを企業経営者も理解し始めたのである。

 企業にとって知的財産は権利化が目的ではなく、知的財産の有効活用によって市場を独占し得る武器となり得るのであり、企業の経営や事業戦略上、最重視しなければならない要素である。

 

5.むすび

 2024年4月がスタートしましたが、今後並びに将来に向けて企業間競争がグローバルに激化する現在、企業における中期計画、特に技術・市場・知財・国際の4大要素は企業成長や企業価値向上のための重要なファクターである。
 これらのファクターを最大限戦略的に実践することが求められている今日である。

 上記企業環境の変化や時代的転換期を踏まえ、知的財産のプロ集団であるサン・グループは、本年度50周年を迎えたのを機に上記企業の戦略をバックアップすべく、グループの資源を最大限活用する知財活動を実践します。
 具体的には、人材教育のパトラと知財情報の収集・分析のネットスと権利化や知財紛争を扱う藤本パートナーズの3社が共同で企業を支援すべくさらに強化しますので、いつでも御相談下さい。

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