SUN GROUP

知財教育・調査・出願・係争など知的財産に関する
あらゆるサービスを戦略的に提供。【大阪・東京】

弁理士藤本昇のコラム

column

ホーム > 弁理士藤本昇のコラム > [コラム]知財と戦争

[コラム]知財と戦争

2023年03月07日

1.はじめに

 私は、昨年末会長に就任し、所長を中谷弁理士に一任した。私の弁理士生活は本年で53年目に突入し、事務所も来年50周年を迎えることになる。

 私の職業人としての弁理士の哲学は、『知財は企業ビジネスに役立たないと意義がない』、『知財は戦争』であるとの考えで弁理士業務を遂行してきた。

 私が弁理士となった50数年前は、各企業、特に大手の家電メーカー等は出願件数で競う時代で、特許等の産業財産権を獲得することを目的としていたものである。

 しかしながら、その後の経済環境の変化や技術革新等によって知財は経営や事業に貢献しなければならないとして、各社は経営に資する知財戦略を具体的に実践しているのが現状であるが、私から見ればまだまだ知財戦略の基本姿勢が社内、特に知財部や知財担当者に十分に浸透しているとは思われない。

 私のポリシーは、知財は戦争と同じで、戦略が重要であると考える。具体的には戦争である以上、「防衛」と「攻撃」の両面が必要で下記戦略があると考える。

 

2.「防衛戦略」

 防衛戦略とは、企業にとって内外国の企業、特に競合企業から知財を武器に攻められることを予め防御するための対策である。具体的には、下記のような対策と戦略がある。

 

(1)監視体制の強化

 特許情報等を屈指して、相手方企業の知財情報を早期に入手、分析し、自社の技術や製品が相手方の権利を侵害していないか、侵害のおそれがないか、あるいは不正競争防止法等の違法行為に該当していないか等の監視によって事前に予防する防御戦略。今後の開発や新規事業や新市場への参入に障害がないか等にも役立つのである。

 

(2)営業秘密の漏洩防止対策強化

 自社技術やノウハウ等の営業秘密が流出乃至漏洩しないか事前にそれらを予防する対策。

 

(3)人材流出の防止対策強化

 優秀な発明者や技術者が競合他社等に流出することを事前に防止することも重要な防衛戦略である。

 

3.「攻撃力の強化戦略」

(1)高価値化権利の獲得(武器強化策)強化

 ウクライナ戦争においても重要で効果的な戦争戦略は、強力な武器化(相手に脅威となる権利化)戦略である。産業財産権は戦争と同様にいくら多くの武器(権利)を保有していても強力かつ脅威となる武器を保有しなければ戦争(経済戦争)に勝利できないのである。知財部はそのための強力な武器の製造に頭を使うこと(有力な弁理士と提携すること等)。

 

(2)戦略家の必要性と強化

 いくら有力な武器を保有していても、その武器を効果的に使用して競合企業を排除または市場から撤退させる等の知財の戦略家がいなければ、宝の持ち腐れになる。知財の戦略家とは、知識はもちろん先見性があり知恵者であることが要件である。

 

(3)先見力の強化(先発企業となる戦略)

 経営も技術開発も5年や10年先を読んで、市場を席巻する技術を他に先んじて特許化(権利化)する攻撃的戦略が重要である。今、正に自動車業界はこれにて戦争が激化しているのである。

 

(4)その他、人材の強化や能力ある弁理士との連携強化等の攻撃的知財戦略もあるが、紙面上省略する。

判例紹介
SUN・GROUPホールディングス株式会社
〒542-0081
大阪市中央区南船場1丁目15-14号
堺筋稲畑ビル2F (総合受付5F)