1 最近のデザイン評価の動向
最近、「デザイン」なる用語が新聞等において頻繁に登場し、「デザインを重視する時代」「デザインで勝負する時代」となり、これが企業において、「デザイン経営」や「デザイン思考」を企業経営に取り上げる要素となっている。
特許庁は、2018年デザイン経営を宣言したが、ここに「デザイン経営とは、デザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法」で、「デザイン思考とは、デザイナーやクリエイターが業務で使う思考プロセスを活用し、前例のない課題や未知の問題に対して最適な解決を図るための思考法」である。
今後、益々企業の成長戦略としてデザイン思考に基づくデザイン経営の手法がある。
デザイン経営戦略を重視して製品開発を行い成功している代表例が英国のダイソン社である。最近の我が国の代表例としてアイリスオーヤマやエレコム社があり、これら企業は中小企業から起業化し、今や日本を代表する成長企業となったのである。
2 デザインのブランド化
前記ダイソンの扇風機やBMWのキドニーグリルの車等は世界的な代表例であるが、正にデザインは製品の外観である(視覚にアピール)が故に消費者や流通業者にアピールし易く売上向上になるとともに企業成長の起爆剤となるのである。
すなわちデザインは企業の顔であり、ブランドとなっているのである。
技術や品質は大きく変わらないが、製品が売れるか否かは「デザイン」が左右すると言っても過言ではないのである。車の世界は正にデザインが最重要要素の一つである。
今後益々デザインで勝負する時代に突入したのである。
3 デザイナーの保護
しかるに、このような差別化するデザインを創作する者は、デザイナーである。
デザイナーには、社内のインハウスデザイナーと外部(デザイン事務所等)の外部デザイナーが存在するが、特に外部デザイナーは企業との関係で弱い立場にあることも事実である。
しかるに、現在のようなデザイン重視の時代においてはデザイナーを保護し、デザイナーの権利を擁護しなければならないのであると同時にデザイナーは自らの権利意識に目覚め権利主張すべきである。
そのためには、デザイナー自身、意匠法や商標法、時には特許・実用新案法や著作権法、不正競争防止法等知的財産に関する最低の知識と意識を身につけるべきである。
未だにデザイナーが制作したデザインについて企業がデザイナーの同意なくデザイン室で改変、設計変更する等の行為が行われているケースが多々ある。
このような行為を阻止するためにもデザイナーは、企業との間で不利にならないような契約を事前に締結することが第一義であり、その契約条項においてデザイナーの創作物の権利帰属や同意なき改変等の防止、さらには創作物の実施権の帰属、対価等についてデザイナーは不当に不利とならないように規定すべきである。
今後、メタバース等新規な分野の革新的技術開発が進行する中で、より一層画像や内装等の意匠が重視されることとなるであろう。正にデザイン重視の時代が進化するのである。
私共、サン・グループの弁理士法人藤本パートナーズは常に日本の特許事務所の中で1位か2位の意匠登録件数を維持している。また、ネットスの内、外国の意匠調査は日本でトップクラスの品質であると評価されているのである。
デザインに関してはサン・グループにご相談を。