1.基本戦略
2021年の改訂コーポレートガバナンス・コードの指針からも明らかなように、今後企業は持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、株主や投資家等に情報開示することによって企業の評価を高める必要がより一層責務とされたのである。
知的財産分野においても単なる出願件数や権利数等の統計的な数字ではなく、実体的な知財の高価値化を分析、評価して外部に情報開示する必要があるのである。
我々サン・グループは、1974年の設立以来、「知財は企業ビジネスに貢献しないと意義がない」との設立精神に則り知財業務を遂行してきたものであるが、このことが正に現在のコーポレートガバナンス・コードの基本理念と一致するものである。
本年、5月より「弁理士法人藤本パートナーズ」は新年度に突入しているが、これを機により一層前記理念に沿った知財業務を戦略的に遂行するものである。
2.弁理士法人藤本パートナーズ
藤本パートナーズは、組織的には大阪本部と東京事務所が存在し、内的には特許1部、特許2部、特許国際部、意匠部、商標部、国際部、事務局が存在するが、各部門とも常に企業の立場を理解しかつその事件の背景や企業内の重要度やリスク度等を総合的に検討したうえで、権利化業務や紛争事件、訴訟事件等の業務を高度で高質に行うことを事前に検討し、戦略的な業務遂行を行うものである。
具体的な業務は、夫々プロの弁理士が行うものであるが、その業務は前記のように単なる事務屋的、下請け的ではなく、企業目線で受任した知財業務が企業価値の向上に寄与するのか、あるいはどのようにすれば寄与し利益向上に直結するのかを検討したうえで、戦略的業務を行うものである。このような立場から、5月から特許庁の元審査官を入所させ、さらに重要案件の権利化に寄与するものとする。
3.株式会社ネットス(知財情報戦略企業)
ネットスは、内外国の特許調査、意匠調査、非公報文献調査、特許情報分析(IPランドスケープ)等の分野で、日本有数の知財情報企業として高評価を得ているが、企業のコンプライアンスの遵守の観点から、最近は特に知財のリスク回避のための事前の権利侵害調査に集中化して企業に貢献し高評価を得ている(特にその品質の高質化)。
今後、益々知財の価値評価が問われる時代において、企業リスクとしての知財リスクを事前に回避すべく戦略的な調査業務を遂行するとともに競合他社動向の分析や技術動向の分析等(IPランドスケープ)においても高評価を得ている。
4.株式会社パトラ
企業のイノベーションの創造が益々必要不可欠となるが、そのための知財人材の育成が最重要課題である。パトラは、今回のコーポレートガバナンス・コードの改訂を機に、企業の知的人材、特に若手の開発者、技術者、研究者、さらには知財担当者に知財の現場の教育を行なうことによって創造性開発や特許開発を行う人材の教育と企業の経営者の知財教育を実践している。企業の価値向上の重要なファクターは、知財戦略とその価値にあるため、人材育成は急務である。