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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]企業の知財部門と特許事務所の役割分担

2021年05月10日

1.企業の知財部門の現状と課題

(1)社内の組織

 知財部門に50名以上の部員を配属している知財の大手企業は別として、企業規模が大手であったとしても知財部員が数名あるいは数十名の企業や中堅・中小企業の多くは、知財の中小企業であると私は考える。

 これらの企業は、組織的に他の事業部や開発部、営業部とは別に知財部が存在してはいるが、あくまで特許・意匠・商標等の権利化や知財に関する相談窓口として位置づけられている。

(2)知財部の業務

 知財部は、社内であるいは外部特許事務所に依頼して出願等の権利化業務を主たる業務としている。
 一方、開発部や研究所等のリエゾン活動として発明の発掘も重要な業務として位置づけられている。

(3)最近の知財部の課題

 ①最近、多くの企業では、従来型である権利の数を重視した権利化戦略から権利の質や他社に脅威となる権利の獲得、さらには「モノ」から「システム」や「ビジネス」を権利化する傾向にある。

 ②一方、知財部における人材不足、特に優秀な人材が配属されない等知財部の高度な戦略や方針を達成するための人材不足が顕著となっている。企業によってはリエゾン活動する人材や継続性を担保できない等知財部としての人材不足が悩みとなっている。

 ③さらに、経営陣に知財部の役割や業務が理解されず、あるいは知的財産権の価値すら認められない等企業知財部にも多くの課題が存在する。

2.特許事務所・弁理士の使命と役割

 上記のような知財部の課題や悩みは企業によって異なるが、それを解消することができるのは外部弁理士であると私は考える。私が考察するに、数多くの弁理士は従来型の権利化一辺倒の事務屋的仕事を主たる業務としているが、前記企業の現状の課題や悩み等を解消するためにその企業に密着して企業の経営方針や事業方針、さらには業務の課題を知財部と共に考察して各企業の事情に応じて業務支援すべき弁理士が求められているのである。

 但しそのためには、弁理士が企業の事業等を理解して多角的に業務を行う能力と経験と意識が必要不可欠である。

3.藤本パートナーズの使命と役割

 藤本パートナーズは、本年設立47年目に突入するが、その思考法や業務の基本方針の原点は弁理士藤本昇の「知財は企業ビジネスに貢献しないと意義がない」との一貫した哲学によって各弁理士、パートナーズのみならずサン・グループ全員が「企業に役立つ」との意識の基に日々業務遂行を行っているのである。

 藤本パートナーズを中核とするサン・グループは、現在はむろん将来も前記基本哲学の基に企業の知財部や知財業務を企業に密着してあるいは企業と一体化して強固に、かつ独自に継続して支援するものである。

 今後、益々企業の国際化や技術の高度化、変容化、ソフト化が進行するであろうが、サン・グループは一貫して知財のプロ集団として内外国の企業を強力にサポート致します。

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