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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]新意匠について本年4月1日から出願可能!(画像意匠,建築物の意匠,内装意匠)<企業の意匠活用戦略の見直し重要>

2020年02月05日

1.はじめに

 2019年度に意匠法が大幅に改正され、本年4月1日より改正法が施行されることになりました。
 意匠法の主要な改正項目は下記の通りであります。

(1)保護対象の拡充
 ①画像デザインの保護(画像意匠)
 ②建築物デザインの保護
 ③内装デザインの保護

(2)関連意匠制度の改正
 現行法では、本意匠の意匠公報発行日まで(約8ヶ月)に関連意匠の出願が可能であるが、改正法では、本意匠の出願から10年が経過する日前まで出願可能となる。但し関連意匠の設定登録日に本意匠が既に消滅している場合には、関連意匠の登録は認められない。
 関連意匠にのみ類似する意匠についても最初の本意匠(基礎意匠)の出願から10年が経過する日前までの出願であれば登録を認める。

(3)存続期間の変更
 現在の「認定登録日から20年」を「意匠登録出願の日から25年」に変更される。関連意匠の意匠権の存続期間の満了日は「基礎意匠の出願の日から25年」となる。

(4)複数意匠の一括出願
 複数の意匠についての意匠登録出願を一つの願書で行うことができる。但し「一意匠」の対象となる「一物品」,「一建築物」,「一画像」の基準については経済産業省令で定められる。

(5)間接侵害行為の対象拡大
 侵害品を構成部品に分割して製造・輸入等する行為も侵害行為となる。

(6)組物の意匠の拡充
 組物の意匠についても部分意匠の登録を認める。

2.画像デザイン・画像意匠の保護対象

■現行法では、表示画像及び操作画像のうち、物品に記録・表示される画像が、保護対象となっている。
■改正後は、物品に記録・表示されているか否かにかかわらず、表示画像や操作画像そのものを保護することができる。

 

 

 

 

 





 ※特許庁「令和元年度特許法等改正説明会テキスト」より

3.建築物の意匠の新たな保護

■現行法では、「物品」は、「有体物である動産」を意味することから、建築物等の不動産について、意匠法で保護することはできない。
■改正後は、「建築物」(不動産)についても意匠法で保護することができる。

 

 

 

 




 ※特許庁「令和元年度特許法等改正説明会テキスト」より

4.内装意匠の新たな保護

■現行法では、複数の物品(テーブル、椅子、照明器具など)や建築物(壁や床の装飾)から構成される内装のデザインは、一意匠一出願(7条)の要件を満たさないため、意匠登録を受けることができない。
■改正後は、複数の物品や建築物、画像から構成される内装のデザインについて、「内装全体として統一的な美感を起こさせる」という要件を満たす場合に限り、一意匠として意匠登録を受けることができる。

 




 ※特許庁「令和元年度特許法等改正説明会テキスト」より

5.企業の新戦略

 不動産、建築物、住設、家具、インテリア、橋梁等、従来意匠に無関係な不動産業界や建築物、土木等の業界、さらにはインテリア等内装業界の企業にとって、今後特許のみならず意匠は企業の知財戦略上極めて重要となります。予め(4月1日以前)自社の関係する画像や建築物、内装について検討し、先願権を得ることが戦略上重要であります。

 尚、ご不明な点は弁理士法人 藤本パートナーズの意匠部(弁理士 野村,弁理士 石井)にお問い合わせください。

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