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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]弁理士 藤本昇関与の直近の知財訴訟判決

2018年05月10日

1.はじめに

 最近、弁理士法人 藤本パートナーズに知財紛争事件や侵害鑑定事件の依頼が多発傾向にあります。

 その主たる要因は、各企業が保有する特許権、意匠権、商標権等の知的財産権を積極的に活用し、知財権を武器として市場における競争の優位性を図る傾向にあること、並びに競合企業との市場競争が激化する傾向にあることにある。

 弁理士 藤本昇は、弁理士として現在迄に知的財産関連の侵害訴訟を既に135件をも取り扱った実績があり、我が国の弁理士としての侵害訴訟受任件数は日本一または日本のトップクラスの実績がある。そこで、今回弁理士 藤本昇が代理した直近の特許権侵害訴訟事件と意匠権侵害訴訟事件について、その争点と判決のポイントについて解説する。

2.意匠権侵害訴訟事件(大阪地裁)

 本件は、意匠に係る物品が「天井直付灯」に関する意匠権に基づき筆者が代理して侵害訴訟を提起した事件で、該事件の争点はこの種「天井直付灯」の物品において看者である需要者が注意を喚起する部分(意匠の要部)が、使用状態時に見える発光面か、それとも天井に取付ける背面をも含む全体の形状か否かが争点となったケースである。

 原告である筆者は、取引状態や店舗での展示状態においては、背面の形状(創作ポイント)を直接特徴付けてPR営業していることから背面の新規な形状が特徴であると主張したが、被告は天井に取り付けた使用状態では背面が見えないため特徴にはなり得ず発光面が特徴であると反論した。

 裁判所は、この種物品は使用状態では背面形状が見えないことを理由に意匠は非類似であると心証形成したため、本件は筆者の意図とは別に和解にて終結した。

3.特許権侵害訴訟事件(大阪地裁)

 本件は、被告側の立場で争った事件であるが、特許請求の範囲に記載の文言を如何に解釈するか、その結果イ号等の製品がその技術的範囲に属するか否かが争点となった。

 本件の争点は、4点あり、いずれも請求の範囲に記載の文言の解釈とイ号等の製品の属否にあった。被告側の立場で筆者は、1乃至3の争点から明らかに技術的範囲に属しないと主張したが、裁判所は4点目の争点である請求の範囲記載の「微粒子」なる文言を「10㎛以下の微粒子」に限定解釈し、非侵害であると判示し、筆者は勝訴した。

4.特許権侵害と不正競争防止法2条1項3号違反の訴訟事件(大阪地裁)

 筆者は被告側の立場で、特許権については非侵害、不競法2条1項3号については形態模倣に該当しないと反論した。

 裁判所は、ほぼ被告側代理人である筆者の主張を全面的に認め、特許権については非侵害で、不競法については形態模倣に該当しないとの判決を言い渡した結果、勝訴した事件である。

 特許権侵害については、請求の範囲に記載の文言の解釈が争点となったが、明細書の記載を参酌したうえで、文言を限定解釈し、イ号製品は属しないと判示した。また、不競法上の商品形態の意義が争われたが、この点についても筆者の主張が判決理由となって勝訴したのである。

5.企業への警笛

 特許権等の侵害成否の判断や不正競争防止法違反(商品形態模倣)の判断は、単に権利化業務のみを行っている弁理士では経験がないため、代理人の選任が勝訴の第1ステージである。実績と経験があり、且つ勝訴率の高い弁理士に依頼すべきである。

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