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弁理士藤本昇のコラム

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[コラム]2016年度の知財動向と来年以降の企業戦略

2016年12月09日

1.本年度の知財動向

 本年度は、職務発明に関する法規の施行等主要な法改正が施行される一方、企業の知財に関する意識や戦略も大きく改革された年であります。

 今後、世界的に保護主義が台頭する中で経済の不透明感が益々増していきますが、世界の知的財産法は手続や審査等において統一化傾向にあります。

 さらに、特許情報等知的財産情報の各国の整備やネットワーク化がさらに進行し、特許情報がより企業にとって有効な情報や資源となります。

 来年度以降企業が新たな戦略を注視して企画・立案・実行するポイントは、私の本年度の経験則から下記点が主要な戦略テーマになると考えます。

 その際、企業規模や業態並びに人材数等によっても異なりますが、大別すると下記のとおりです。

2.大手企業(知財重視型企業)

 企業内に知財部が独立して存在する企業にとって、知財部の使命や機能等の戦略を新たに改革すべきである。改革すべきポイントは、第1に知財部の機能や使命を企業経営の中でどのように位置づけるかにある。

 例えば、大手企業であるA社は最近知財部を開発部や研究所の下部組織から全く独立した企業の経営・企画部の下に所属させ、知財を活用してあるいは武器として経営戦略や事業戦略を企画・立案することにしたのである。

 第2に競合他社の動向(技術・市場・特許の各情報)を分析して自社の優位性を確保するための情報戦略を重視する点にある。

 第3に知財部員の能力育成にある。単に特許出願等の権利化(手続)や発明のリエゾーン活動等に限られた従来型の人材ではなく、企業経営や事業戦略をグローバルな視点で考えられる知的な国際センスのある人材を育成することである。従来の特許事務所的・調査会社的な業務は、信頼できて力のある特許事務所や調査会社に依頼し、社内の知財部員の使命を企業経営や事業に直結した思考力と意欲のある人材に育成することが重要である。

 第4は国際戦略を企画・立案できる国際的人材と国際的な事業戦略における知財の戦略を構築する知財部の形成である。

3.中堅・中小企業

 中堅・中小企業にとって来年以降の最重要課題は、経営者を含めた全社員の知財マインドの昂揚普及と、開発段階等事業戦略の立ち上げ段階から外部の弁理士やサーチャーを参画させて事業や製品の独占化による高収益戦略を実行することにある。単に発明を権利化するのではなく、事業戦略の中で開発プロジェクトを知財の視点から如何に独占・排他するかを常に念頭におき戦略を構築することであり、そのためには経験と実力のある特許事務所や調査会社を有効に利用・活用することにある。

4.サン・グループの本年度の活動と来年以降の戦略

 サン・グループには大手企業のみならず多数の中堅・中小企業がクライアントとしてありますが、常に企業が利益を得るための知財戦略や知財業務を遂行して本年度活動してきました。

 その結果、他社が進入できない障壁となる高価値化権利の獲得や他社のビジネスに対する警告や訴訟提起等によって多くの企業の事業収益に貢献することができ、これが企業から高く評価されました。

 来年以降も藤本昇特許事務所や調査会社・ネットス、さらには教育会社・パトラが、上記企業の知財部や企業自体がなすべきことを明確化し、より一層企業の悩みや問題点を分析して、夫々の企業に合った知財戦略を提案・指導したく考えています。

 本年度1年間大変お世話になりましたことを紙上を介して御礼申し上げます。

 

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