SUN GROUP

知財教育・調査・出願・係争など知的財産に関する
あらゆるサービスを戦略的に提供。【大阪・東京】

弁理士藤本昇のコラム

column

ホーム > 弁理士藤本昇のコラム > [コラム]中国における知財訴訟の最近の動向と日本企業の留意点

[コラム]中国における知財訴訟の最近の動向と日本企業の留意点

2010年12月28日

 中国において、日本企業の技術の流出や製品の模倣、さらには商標の不正登録が頻繁に行われている現状がある一方、日本企業等外国企業が中国国内において訴訟提起されているケースが急増しています。

 日本企業が中国に技術供与したり、中国国内に進出する場合、事前に出願による権利化はむろん中国国内の特許権等を侵害しないか否か事前に調査することが益々重要となってきています。

 中国国内の出願件数が急増していますが、これらの出願の中には日本企業の技術やデザイン、ブランド等が盗用されているケースがあるため、日本企業としては、まず第1に中国において権利化を図ることが重要であります。次にその技術がノウハウ等営業秘密である場合に、中国企業と契約によって保護することも考えられるが、契約はあくまで当事者間のみで有効なるため、その保護戦略としては必ずしも十分ではないのです。

 特に、最近中国国内の労働条件の変化によって技術者が他企業に転出するケースが多くなっているため、営業秘密が他企業に流出する可能性があります。

 よって、日本企業の対策としてはでき得る限り技術供与や技術指導する技術を事前に権利化することが望まれます。但し営業秘密として供与する場合にはその契約はむろん営業秘密の中国企業内の管理強化を図るべく対策も重要であります。

 次に最近、中国における知財訴訟件数が急増し(2009年度の特許訴訟件数、4422件)、しかも外国企業が訴訟提起されるケースが多く発生しています。

 この理由の一つとして、中国国内弁護士の費用が他国に比し安価であること、さらには特許訴訟の迅速化(提訴から判決まで6ヶ月のケースもある)が要因となっている場合がある他、外国企業から多額の損害金を得られるケースがあることも要因となっています。

 さらには、判決が中国企業に有利な判決となっているケースもあります。

 よって、日本企業としては、このような訴訟に巻き込まれないように事前の障害特許調査を十分に行うことや中国国内における事業には中国企業をパートナーとして共同事業化することも重要であります。

 例えば、日本企業である、日本富士化水工業株式会社が中国企業の特許権(95119389特許)を侵害したとして訴えられたケースにおいては、日本富士化水工業が中国企業に技術供与して脱流装置を製造しました。しかるに該脱流装置と脱流方法が上記中国企業の特許権を侵害したケースで、日本富士化水工業に対しては、同社が得た技術料を損害(利益)として認定され同社に約7億6千万円の損害賠償の支払いが命じられたのであります。

 このようなケースから日本企業としては、今後供与する技術について、中国における特許権が存在しないか否か十分なる調査が必要であることを警笛するものであります。

判例紹介
SUN・GROUPホールディングス株式会社
〒542-0081
大阪市中央区南船場1丁目15-14号
堺筋稲畑ビル2F (総合受付5F)